kiricub

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OLYMPUS-PEN F

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OLYMPUS PEN F

 1963年初代PEN Fです。ハーフサイズカメラの存在を初めて知ったのは、小学校のころ、友達がこのカメラは2倍の枚数が撮影できるカメラだと教えてくれたのが記憶に残っています。当時はカメラなんか興味もなく、たまに親から110フィルムのカメラを借りて使ったことがある程度でした。

 子供が生まれ、自分で初めてフィルム一眼レフを買い、デジタルカメラを買い足し、色々なことを憶えたころ、中古でハーフサイズカメラを買いました。それがどのカメラだったか今となっては覚えていないくらい(十数台)集めました。主にジャンク箱の中にそれらは放置されていました。

 コンパクトなハーフサイズカメラは時代柄ほとんどが金属製の小さくてもずっしりとした重みのある、物としての魅力あるものでした。ただ、使っていくうちにキチンとピントを合わせた写真が撮ってみたくなりました。ほとんどのハーフサイズカメラはピントは目測でしたので、一眼レフでピントを合わせられるPEN Fを探しました。

 しかし、こいつはなかなかジャンクでは巡り合うことはありませんでした。当時既に希少なカメラとなっていました。地元にあるカメラ屋の存在を知ったのはたまたまでした。入りにくそうな扉を開けて中に入ると知らない海外製のカメラに交じって棚に並んでいるのを見つけたのです。このカメラ屋さんではいろいろなことを教えてもらいました。本来修理が専門のオヤジさんはLEICA嫌いのZEISS贔屓でコンパーシャッターを組む際の勘所を熱心に話してくれるような方です。

 PEN Fが欲しいというとこれかと言った感じで面倒くさそうにチェックし、奥さんに値段を言わせるような職人さんです。使っているうちに低速シャッターが効かなくなり持っていくと、その場で底面を開け、ものの数分で調整してくれました。数年前にお店を閉めましたが、自宅の工房で今でも修理をしてくれます。先日連絡すると入院されたらしく奥さんが来月また連絡してほしいとおっしゃっていました。

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 壊れたらお終いの現代のデジタルカメラたちとは違って、修理可能な機械ですが、修理できる人間が居なくなってしまってはどうしようもありません。
 また低速シャッターが効かなくなっているPEN Fは引退状態ですが、たまに空シャッターを切りながら手触りを楽しんでいます。