ハーフサイズカメラにハマっていた頃に手に入れました。CANONのダイアル35も欲しかったのですが、当時でも見かけることはありませんでした。Demiはまだ中古屋さんでたまに見かけていましたので、割とキレイな個体を入手できました。
パッと見て違いはレンズであることがわかると思います。Sの方がF1.7の大口径になっています。そうは言っても無印DemiもF2.8ですから他社に比べれば明るいレンズになっています。
セレン素子による露出計の針に、絞りとシャッタースピードで露出を合わせる方式はとても分かりやすいものでしたが、そんなに神経質にならなくても大丈夫でした。
オリンパスのペン等に比べて、巻き上げの滑らかさがまるで別物だったと思います。ペンはプラスチックのギアを直接クリクリと回す方式ですが、Demiにはちゃんとしたレバーが付いていました。
このデミは最終的に娘に持っていかれました。というか何かフィルムカメラで撮ってみたいと言われ、これを渡しました。
こちらは、売却処分したはずです。結局この時代の大口径レンズを持つハーフサイズカメラには致命的な問題があったと思います。それはピント合わせです。大口径競争がこのカテゴリーにも波及して各社が明るいレンズを搭載しましたが、明るいレンズで絞りを開けば開くほどピントは浅くなり、目測ではピントを外す可能性が高くなります。
結局この手のカメラは絞って被写界深度を深くすることで目測でのピント合わせを補う必要があるのです。暗いシーンで撮影できる可能性を持たせるためだけに普段から小さなボディに不釣り合いな大きなレンズを付けるより、よりコンパクトな小さなレンズの方が、使い勝手がいいことに気づくまで自分でも随分時間とお金を掛けてしまいました。
背景をぼかした写真を撮るには被写体にピントが来ていることが前提で、その手段が目測ではレンズを活かしてあげられませんでした。
しかし、このカメラの作りはアルミでとても良く、CANONらしく後出しじゃんけんで先行各社の製品に対抗し、上回ってくるモノづくりは見事です。けっしてディスっている訳ではありません。