所有するレンズでフルサイズのイメージサークルを持ち、かつF1.2の大口径なのはこのレンズだけです。フジのXマウント用、マイクロフォーサーズ用にはチャイナ製のレンズを入手しています。
大口径レンズには昔から憧れがありました。しかし高価であり、なかなか入手できませんでした。それが、チャイナのメーカーのおかげで沢山の選択肢ができました。そういう意味ではいい時代になったと思います。フルサイズでも何社かがリリースしているようですが、あまり物欲を刺激するレンズを見つけられませんでした。
このレンズはたまたま入手することになりました。実はこのレンズの前にF1.8のFLレンズをハードオフで見つけました。安かったので買ってみましたが、その造りが面白かったのでフードを手に入れたくてヤフオクで落札しました。これは自分の責任ですが、間違ってこのレンズ用のフードを落札したことを届いてから気づきました。
このフードがまた造りが良かった。今では考えられないような立派な革製のケースに入っており、中は仕切りがあって、外したキャップを入れておくことができます。
この時点でフードを付けるレンズは無いのにこのフードがもったいなく感じてしまったのでした。調べてみるとこのフードはFL55mmF1.2、FL58mmF1.2、FL50mmF1.4に対応していたようです。FL58mmはレンズ後端のカバーが多くのアダプターと干渉する可能性があること、50mmF1.4は他にいろいろ持っているので、この55mmF1.2をターゲットにオークションを眺めていました。
オールドレンズをヤフオクで入手するのはリスクがあるので、1万円の個人的上限を設けています。そのため2、3度競り負けてしまいましたが、運よく入手できたのがこのレンズです。
アダプターで前方にオフセットされていることもあり、かなりフロントヘビーに感じます。
フードを使用するときは便宜的に現行品の58mmキャップを付けます。しっかりと付く訳ではないのですが、すぐに落ちてしまうこともないといった所です。
FLレンズの特徴として絞りリングが前方にあります。これがレンジファインダーカメラレンズのようです。もちろん総金属製の鏡筒です。ピントリングも金属のローレットで仕上げられています。ただ、キヤノンのFDレンズもですが、シルバーのアルミ製?の絞りリングとスピゴットマウントの締め付けリングはなかなかキレイにすることができません。いい方法がないかネットで検索してみましたがこれと言って見つけられませんでした。
最短撮影距離は60cmと寄れません。口径食というのでしょうか周辺部のボケはレモン形になります。また、しっかりバブルボケになることもあります。
逆光にも強くは無くフレアとゴーストがでます。もちろん絞ればだいぶ改善されます。
多少絞ってスナップすると雰囲気も良く写るように思っていますがいかがでしょうか。
オールドレンズは癖があって当たり前、現代のレンズとは違って欠点があることに文句を言ってもしょうがないと思っています。何か特に思い入れがない限り、現代のレンズが買えるような値段、或いはそれ以上のプレミアム価格のレンズには興味を持たないようにしています。