LOMO T-43が思ったよりきれいに写っていたので手に入れてみました。ご存知だと思いますが、旧ソビエト時代のチャイカとかいうハーフサイズカメラ用のレンズでマウントは39ミリの捻じ込み式ですがフランジバックがライカLに比べて1.3ミリほど短いという独特な仕様のレンズです。
とても小さなレンズです。私はヤフオクで一番安く出品されていた個体を5千円弱で入手しましたが、距離目盛がすれて消えかかっている等、あまり状態はよろしくなくレンズも若干くもりが見えます。分解は難しくはなさそうなのでいずれクリーニングしようと思っていますが、取り敢えずポン付けではやはり無限が出ていませんのでそこから取り掛かりました。
ネット上にはこのレンズで無限を出す方法が色々紹介されていますが、私の入手した個体はレンズ単体では無限を出すことができませんでした。これは入手する際には判断できません(特にネットで購入する場合)。
たまたまL39ーFXマウントのアダプターが余っていたので、これを専用アダプターとして削ることにしました。GIZMONのUtulensに付属していたものです。
ネジマウントの部分が本体から取り外すことができる構造になっていますので、サイドのイモネジを緩めて真ん中の銀色の部分を取り外します。
この銀色の多分アルミを1.3ミリ程薄くすることができれば無限がでるはずです。これが結構大変でした。初めは板状のダイヤモンドヤスリがあればいいかなと思ったのですがホームセンターに行くとレンズと同じくらいの値段でした。ちょっと考えて60番の布ヤスリ100円くらいを買ってきて、手持ちの平ヤスリと交互に削ってみました。
水平に削る技術なんて持っていませんから、レンズに接する表面ではなく裏面を削りました。これなら多少凸凹しても構わないと思ったからです。しかしノギスで計測しながら約1ミリ削るのにもかなりの時間がかかりました。
絞りの指標がズレてしまいますがレンズ側で多少は調整できるので、開放で無限に届くギリギリ程度には削ることができましたので試写してみました。
やっぱり開放はかなり甘い描写です。レンズの汚れのせいなのか、まだキチンと無限が出ていないせいなのか不明ですが、ネットで見るこのレンズの写りには及んでいない感じがします。
X-A7はファインダーが無いので絞って目測で写すにはこれでもなんとかなるかなとも思っています。
もう少し暖かくなって時間があるときにアダプターをもう少し削って、レンズも一度ばらしてクリーニングしてみようと思っています。